【消費税】税込経理方式と税抜経理方式、どちらでもいいの?

消費税の経理方式には、税込経理方式と税抜経理方式の2種類があります。

しかし、税込経理方式と税抜経理方式のどちらかを選べる方と税込経理方式で経理する必要がある方がいらっしゃいます。

この記事では、2種類の経理方式について、知識が全く無い方でも簡単に理解できるように、下記の順番にまとめました。どなたかのお役に立てれば幸いです。

  1. 税込経理方式と税抜経理方式、どちらでもいいの?
  2. 税込経理方式と税抜経理方式、どちらがいいの?

注)この記事は、平成28年5月1日現在の最新の消費税法に基づいて作成したものです。今後、消費税法に改正があった場合には、直ちに、この記事も更新し最新の状態を保って参ります(平成30年4月1月 更新)。

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1.税込経理方式と税抜経理方式、どちらでもいいの?

事業者(個人事業主や法人)には、毎年、消費税の確定申告と納税を行わなければならない義務(納税義務)があります。

ただし、一定の要件を満たす事業者については、納税義務が免除されます。

納税義務がある事業者を「課税事業者」といいます。

これに対し、納税義務がない事業者を「免税事業者」といいます。

なお、納税義務の判定方法については、下記の記事にまとめてありますので、よろしければご覧下さい。

【消費税】確定申告は、誰が、どんな場合に必要なの?

そして、消費税の経理方式には「税込経理方式」と「税抜経理方式」があります。

課税事業者は、税込経理方式と税抜経理方式のどちらかを選ぶことができますが、免税事業者は税込経理方式により経理することとされています。

ここで、下記の具体例を用いて、税込経理方式と税抜経理方式の仕訳処理について確認してみたいと思います。(「仕訳」とは

(具体例)

① 仕入時 商品6,480,000円(税込み)を、掛けで仕入れた。

② 売上時 商品10,800,000円(税込み)を、掛けで売上げた。

③ 決算時

④ 納付時 消費税320,000円を現金で納付した(課税事業者のみ。)。

まずは、税込経理方式の仕訳処理から確認します。

① 仕入時 

(借方)

仕入

6,480,000円

(貸方)

買掛金

6,480,000円

□仕訳画像

税込経理方式

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② 売上時

(借方)

売掛金

10,800,000円

(貸方)

売上

10,800,000円

□仕訳画像

税込経理方式

③ 決算時

仕訳不要

④ 納付時

注)免税事業者は、消費税を納付する義務がないため、この仕訳は必要ありません。

(借方)

租税公課

320,000円

(貸方)

現金

320,000円

□仕訳画像

税込経理方式

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次に、税抜経理方式の仕訳処理を確認します。

① 仕入時

(借方)

仕入

6,000,000円

仮払消費税

480,000円

(貸方)

買掛金

6,480,000円

□仕訳画像

税抜経理方式

② 売上時

(借方)

売掛金

10,800,000円

(貸方)

売上

10,000,000円

仮受消費税

800,000円

□仕訳画像

税抜経理方式

③ 決算時

(借方)

仮受消費税

800,000円

(貸方)

仮払消費税

480,000円

未払消費税

320,000円

□仕訳画像

税抜経理方式

④ 納付時

(借方)

未払消費税

320,000円

(貸方)

現金

320,000円

□仕訳画像

税抜経理方式

2.税込経理方式と税抜経理方式、どちらがいいの?

免税事業者は、税込経理方式により経理することとされています。

消費税の納付税額は、預かった消費税から支払った消費税を差し引いて算出しますが、免税事業者は消費税を納付する必要がありません。

しかし、免税事業者であっても、ものを売れば消費税を預かりますし、ものを買えば消費税を支払います。

そして、預かった消費税から支払った消費税を差し引いた残額が生じますが、免税事業者の場合、この残額は事業用資金として自由に使用することができます。この残額は「益税」といい、利益として取扱います。

そのため、税込経理を行い、預かった消費税は収益計上(例えば、商品を売上げた場合は、「売上」に含めて計上。)し、支払った消費税は費用計上(例えば、商品を仕入れた場合は、「仕入」に含めて計上。)するのです。

これに対し、課税事業者は、税込経理方式と税抜経理方式のどちらかを選ぶことができます。

税抜経理方式を選んだ場合、たとえ領収書等が税込価格で表示されていても、税抜価格にして、伝票に記入したり会計ソフトに入力しなければならないため、税込経理方式に比べて手間がかかります。

しかし、税抜経理方式は、収益(売上等)や費用(仕入等)に消費税が含まれていないため、会計帳簿や損益計算書を見れば、簡単に経営成績を確認することができます。

(課税事業者の場合、預かった消費税は収益ではありませんし、支払った消費税は費用ではありません。したがって、税抜経理を行えば、例えば、売上に預かった消費税は含まれませんし、仕入に支払った消費税は含まれませんので、売上も仕入も適正なものとなります。)

また、税抜経理方式は、会計帳簿を見れば、預かった消費税と支払った消費税がどれだけあるかも簡単に確認することができます。

なお、毎年必ず消費税の納税義務がある方は、税込経理方式と税抜経理方式のどちらか経理処理しやすい方式を選んで問題ありませんが、消費税の納税義務がある年とない年がある方は税込経理方式を選ぶことをおすすめします。

消費税の納税義務がある年に税抜経理方式で経理しても、消費税の納税義務がない年は税込経理方式で経理する必要があります。

会計帳簿に税抜経理と税込経理のものが記録されてしまうと、経営成績や財政状態の確認は困難になりますし、修正作業も大変だからです。

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