【消費税】確定申告は、誰が、どんな場合に必要なの?

所得税や法人税の確定申告は、毎年必ず行っているにもかかわらず、消費税の確定申告を忘れる方がいらっしゃいます。

この記事では、消費税の確定申告について、知識が全く無い方でも簡単に理解できるように下記の順番にまとめました。どなたかのお役に立てれば幸いです。

  1. 消費税の確定申告は、誰がするの?
  2. 消費税の確定申告は、いつまでにするの?
  3. 消費税の確定申告を忘れると?

注)この記事は、平成28年5月1日現在の最新の消費税法に基づいて作成したものです。今後、消費税法に改正があった場合には、直ちに、この記事も更新し最新の状態を保って参ります(平成30年4月1日 更新)。

1.消費税の確定申告は、誰がするの?

消費税の確定申告を行わなければならないのは「事業者」です。

「事業者」には、消費税の確定申告と納税を行わなければならない義務があります。

「事業者」とは、個人事業主(フリーランス、自営業、自由業を含む。以下同じ。)や法人(株式会社、有限会社、合名会社、合資会社、合同会社等。以下同じ。)のことをいいます。

ただし、すべての個人事業主や法人が、毎年必ず消費税の確定申告と納税を行わなければならないわけではありません。

まだ事業を始めたばかりであったり、小規模に活動されていて従業員等もほとんどいない個人事業主や法人にとって、消費税の確定申告と納税を行う作業は大きな負担となります。

また、すべての個人事業主や法人が消費税の確定申告書を提出することになると、税務署の職員の確認作業も大変なものになります。

したがって、一定の要件を満たす個人事業主や法人については、消費税の確定申告と納税の義務(以下「納税義務」と省略。)が免除されます。

では、どのような場合に、納税義務が免除されるのでしょうか?

個人事業主も法人も、ものを売ったり貸したりサービスの提供をして、受取った金銭等(売上高や固定資産の売却代金等。以下「売上げ等」と省略。)の合計額が1,000万円(税抜き)以下の場合、納税義務が免除されます。

ただし、個人事業主の今年、及び、法人の今事業年度の納税義務について、今年(法人の場合は今事業年度。以下省略。)の売上げ等が1,000円以下かどうかにより判定することには難しいものがあります。

なぜなら、今年の売上げ等は、今年が終わらなければ確定しません。

今年が終了して1ヶ月以上経たなければ確定しない場合もあります。

今年が終了して1ヶ月以上経ってから納税義務があるかどうかの判定をして、それから確定申告書を作成することになると、事業に集中することはできなくなります。

したがって、今年の納税義務は、今年が始まる前に判定できることが望ましいと考え、前年以前の売上げ等を使用して、原則として二段階により納付義務の判定を行います。

一段階目は、個人事業主の今年の納税義務は前々年の売上げ等が1,000万円以下かどうかにより、法人の今事業年度の納税義務は前々事業年度の売上げ等が1,000万円以下かどうかにより判定します。

なお、この個人事業主の前々年及び法人の前々事業年度のことを「基準期間」といいます。

例えば、個人事業主の今年(平成30年1月1日から平成30年12月31日)の納税義務は、基準期間(平成28年1月1日から平成28年12月31日)の売上げ等が1,000万円以下かどうかにより判定します。

また、事業年度が4月1日から3月31日までの法人の今事業年度(平成30年4月1日から平成31年3月31日)の納税義務は、基準期間(平成28年4月1日から平成29年3月31日)の売上げ等が1,000万円以下かどうかにより判定します。

基準期間の売上げ等が1,000万円を超えれば、今年(法人の場合は今事業年度。)は納税義務があります。

基準期間の売上げ等が1,000万以下の場合、二段階目の判定を行ないます。

二段階目は、個人事業主の今年の納税義務は前年1月1日から6月30日までの期間の売上げ等が1,000万円以下かどうかにより、法人の今事業年度の納税義務は前事業年度開始の日以後6月の期間の売上げ等が1,000万円以下かどうかにより判定します。

なお、この個人事業主の前年1月1日から6月30日までの期間及び法人の前事業年度開始の日以後6月の期間のことを「特定期間」といいます。

例えば、個人事業主の今年(平成30年1月1日から平成30年12月31日)の納税義務は、一段階目は、基準期間(平成28年1月1日から平成28年12月31日)の売上げ等が1,000万円以下かどうかにより判定し、1,000万円を超えれば納税義務があり、1,000万円以下の場合は、二段階目の判定をします。

二段階目は、特定期間(平成29年1月1日から平成29年6月30日)の売上げ等が1,000万円以下かどうかにより判定します。特定期間の売上げ等1,000万円を超えれば納税義務があり、1,000万円以下の場合は納税義務がありません。

また、事業年度4月1日から3月31までの法人の今事業年度(平成30年4月1日から平成31年3月31日)の納税義務は、一段階目は、基準期間(平成28年4月1日から平成29年3月31日)の売上げ等が1,000万円以下かどうかにより判定し、1,000万円を超えれば納税義務があり、1,000万円以下の場合は、二段階目の判定をします。

二段階目は、特定期間(平成29年4月1日から平成29年9月30日)の売上げ等が1,000万円以下かどうかにより判定します。特定期間の売上げ等1,000万円を超えれば納税義務があり、1,000万円以下の場合は納税義務がありません。

ここで、個人事業主の今年(平成30年1月1日から平成30年12月31日)の納税義務の判定を、実際に行ってみたいと思います。

(例) 小売業を営む個人事業主の基準期間(平成28年1月1日から平成28年12月31日)の取引の状況

商品売上高 10,100,000円(税込み)

営業用車両の売却代 900,000円(税込み)

納税義務の判定方法は下記のとおりです。

① 基準期間の売上げ等を税込み価格の状態で集計します。

② 集計した税込み価格を税抜き価格にして、円未満の端数を切り捨てます。

③ 計算した金額が1,000万円以下かどうかを判定します。

算式

① 10,100,000円+900,000円=11,000,000円

② 11,000,000円×100/108=10,185,185円(円未満切り捨て)

③ 10,185,185円>10,000,000円

③が1,000万円を超えるため、今年は納税義務があります。

したがって、平成30年分の消費税の確定申告と納税を行わなければなりません。

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2.消費税の確定申告は、いつまでにするの?

消費税の確定申告書の提出と納税の期限について、個人事業主の場合は翌年3月31日までに、法人の場合は事業年終了の日の翌日から2月以内に国(納税地の所轄税務署)に提出し納税しなければなりません。

個人事業主の場合、所得税の確定申告書の提出と納税の期限は翌年3月15日ですが、消費税の確定申告書の提出と納税の期限は翌年3月31日であり、期限が異なリますので注意が必要です。

法人の場合、法人税の確定申告書の提出と納税の期限と、消費税の確定申告書の提出と納税の期限は同じ日になります。

注)納税地の所轄税務署は、国税庁の公式サイトで確認することができます。

国税庁公式サイト(納税地とは)

国税庁公式サイト(納税地の所轄税務署の確認)

3.消費税の確定申告を忘れると?

期限までに、消費税の確定申告書の提出と納税を行わないと、無申告加算税と延滞税を支払わなければならない場合があります。特に、延滞税は日割り計算ですので、確定申告書の提出と納税が1日遅れるごとに税額が増えてしまいますので注意が必要です。

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