【簿記】「小口現金」と「定額資金前渡制度」って何?

[簿記3級]仕訳問題一覧

小口現金

会社によっては、電車代、タクシー代、消耗品代など、少額の支払いに必要なお金を、担当者を決めて管理させることがあります。

この担当者を「小口現金係(こぐちげんきんがかり)」といい、この小口現金係が管理するお金を「小口現金(こぐちげんきん)」といいます。

会社の経理部門は、この小口現金係に、あらかじめ一定期間分のある程度のお金(小口現金)を渡しておき、日々の少額な支払いには、このお金(小口現金)を使用してもらいます。

そして、一定期間が経過したところで、支払い状況を、小口現金係が経理部門に報告します。

これに対し、経理部門は、使用した分のお金を、再び小口現金係に渡します。

この仕組みを「定額資金前渡制度インプレスト・システム)」といいます。

なお、小口現金は、仕訳処理をする場合の勘定科目も「小口現金(資産) 」になります。

簿記の資格試験において、小口現金は、頻繁に出題されている分野ですので、これから試験を受ける方は、理解しておかなければなりません。

小口現金の一連の仕訳

小口現金に関する一連の仕訳処理を、具体的を用いて確認したいと思います。

(具体例1)

10月1日、A社(経理部門)は、1ヶ月ごとの定額資金前渡制度を採用するため、小切手10,000円を小口現金係に渡した。

この場合のA社の仕訳は、下の画像のとおりになります。

定額資金前渡制度採用時の仕訳画像

借方は、小口現金(資産)、

貸方は、当座預金(資産)、

になります。

【簿記】「小切手」と「手形」の違い

(具体例2)

「10月20日、小口現金係は、タクシー代2,000円と消耗品代1,000円を小口現金で支払った。」

この場合、A社は仕訳処理を行いません。

小口現金係は、小口現金を使用して、日々、少額の支払いを行うことになりますが、経理部門への報告は、支払いの都度ではなく、一定期間分(A社の場合は1ヶ月分)をまとめて行います。

そして、経理部門は、小口現金係からの報告を受けた一定期間分(A社の場合は1ヶ月分)の支払いについて、まとめて仕訳処理を行うことになります。

したがって、小口現金係が少額の支払いを行っても、その都度、経理部門が仕訳処理を行うことはありません。

【簿記】「会計期間」って何?

なお、経理部門への報告を忘れないために、小口現金係は、「小口現金出納帳(こぐちげんきんすいとうちょう)」という会計帳簿を作成して、支払い内容を記しておくのが一般的です。

【簿記】(仕訳帳・総勘定元帳・補助記入帳・補助元帳)とは

(具体例3)

10月31日、A社(経理部門)は、小口現金係から10月分の支払いについて、タクシー代2,000円と消耗品代1,000円との報告を受け、同額の小切手を振り出して補給した。

この場合、まず、報告に関する仕訳処理を行い、次に、小口現金の補給に関する仕訳処理を行います。

A社の報告に関する仕訳は、下の画像のとおりになります。

小口現金の使用報告に関する仕訳画像

借方は、旅費交通費(費用)と消耗品費(費用)、

貸方は、小口現金(資産)、

になります。

そして、A社の小口現金の補給に関する仕訳は、下の画像のとおりになります。

小口現金の補給に関する仕訳画像

借方は、小口現金(資産)、

貸方は、当座預金(資産)、

になります。

【簿記】「普通預金」と「当座預金」の違い

報告を受けた後、経理部門は、1ヶ月間で使用した小口現金と同額のお金3,000円(2,000円+1,000円)を、小切手で小口現金係に渡して、再び少額の支払いに使用してもらうことになります。

A社の場合、月初の小口現金残高は、常に10,000円(定額)になります。

したがって、定額資金前渡制度といいます。

なお、A社の報告に関する仕訳小口現金の補給に関する仕訳は、相殺して1つの仕訳とすることもできます。

報告に関する仕訳の貸方の小口現金3,000円と、小口現金の補給に関する仕訳の借方の小口現金3,000円を、相殺します。

そして、相殺後の仕訳は、下の画像のとおりになります。

小口現金相殺後の仕訳画像

借方は、交通費(費用)と消耗品費(費用)、

貸方は、当座預金(資産)、

になります。

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