【簿記・財表】税効果会計の問題を、華麗にやっつける方法。

日商簿記や税理士試験(簿記論・財務諸表論)では、「税効果会計」に関する問題が、かなりの頻度で出題されています。

そのため、受験生のほとんどの方が、税効果会計の練習問題を繰り返し解いて試験に望みます。

にもかかわらず、財務諸表、精算表、残高試算表などの作成問題(総合問題)で税効果会計が出題された場合、集計ミスなどをする方がたくさんいらっしゃいます。

原因は、「メモ書き」がイケてないからです。

税効果会計に複雑な仕訳処理はないため、メモ書きを工夫すれば、ミスを防ぐことができます。

この記事では、総合問題で税効果会計が出題された場合のメモの書き方を中心にまとめました。

どなたかのお役に立てれば幸いです。

【仕訳問題】商品を販売し、代金を郵便為替証書と他人振出小切手と送金小切手で受け取った場合

税効果会計のメモ書き

下の画像が、税効果会計に必要なメモ書きになります。

税効果会計のメモ書き

「繰延税金資産」と「繰延税金負債」は、短期と長期に分けます。

短期と長期に分けるのは、財務諸表(貸借対照表)の作成問題では、短期(流動資産・流動負債)と長期(投資その他の資産・固定負債)に分けて記入しなければならないからです。

そして、「法人税等調整額」は右上に、「その他有価証券評価差額金」は左上に、△(マイナス)マークを付けます。

なお、上の画像のメモ書きは、メモを書くだけで時間がかかってしまいますので、時間短縮のため、できる限り省略します。

省略したものが、下の画像になります。

税効果会計のメモ書き(省略版)

総合問題で税効果会計が出題された場合、まず、問題用紙などの空いているところに、このメモ書きをします。

そして、問題の中の決算整理前残高試算表などに記載されている繰延税金資産、繰延税金負債、法人税等調整額、その他有価証券評価差額金の残高をメモ書きに書き写します。

例えば、下の画像のような決算整理前残高試算表の場合、

決算整理前残高試算表

この残高を、下の画像のようにメモ書きに書き写します。

税効果会計のメモ書き

わかりやすくするため、赤色にしてみました。

ここまで完了したら、問題を解いていきます。

まず、下の画像のような仕訳処理があれば、

税効果会計の仕訳 ①

メモ書きには、下の画像のように書き写します。

税効果会計のメモ書き ①

次に、下の画像のような仕訳処理があれば、

税効果会計の仕訳 ②

メモ書きには、下の画像のように書き写します。

税効果会計のメモ書き ②

最後に、下の画像のような仕訳処理があれば、

税効果会計の仕訳 ③

メモ書きには、下の画像のように書き写します。

税効果会計のメモ書き ③

繰延税金負債が借方の場合、メモ書きには△(マイナス)マークを付けて書き写します(繰延税金資産が貸方の場合も、メモ書きには△マークを付けて書き写します)。

問題を解き終えたら、下の画像のメモ書きを集計して答案用紙に記入していきます。

税効果会計のメモ書き 完成版

繰延税金資産と繰延税金負債の記入

「税効果会計に係る会計基準」では、

短期(流動資産)の繰延税金資産と短期(流動負債)の繰延税金負債は相殺し、

長期(投資その他の資産)の繰延税金資産と長期(固定負債)の繰延税金負債は相殺して、

貸借対照表に表示しなければならない、

と定めています。

したがって、短期の繰延税金資産3,000円と短期の繰延税金負債8,000円を相殺し、負債の部の流動負債の区分に「繰延税金負債 5,000円」と記入し、

長期の繰延税金資産7,400円と長期の繰延税金負債2,000円(20,000円△18,000円)を相殺し、資産の部の固定資産(投資その他の資産)の区分に「繰延税金資産 5,400円」と記入します。

なお、精算表や決算整理後残額試算表の作成問題では、

短期の繰延税金資産と長期の繰延税金資産を合計して記入し、

短期の繰延税金負債と長期の繰延税金負債を合計して記入する問題も出題されます。

どんな出題形式であっても、問題と答案用紙を見て、メモ書きを活用すれば、集計ミスなどを防ぐことができます。

法人税等調整額の記入

法人税等調整額を損益計算書に記入する際、貸方残の場合は、金額の前に△(マイナス)マークを付けなければなりません。

△マークを忘れないために、法人税等調整額のメモ書きの右上に△マークを付けます。

メモ書きを見ると、法人税等調整額の借方は14,000円(6,000円+8,000円)で、貸方は18,000円であるため、相殺すると、貸方4,000円となります。

したがって、損益計算書の「法人税、住民税及び事業税」の下に「法人税等調整 △4,000円」と記入します。

その他有価証券評価差額金の記入

その他有価証券評価差額金を貸借対照表に記入する際、借方残の場合は、金額の前に△(マイナス)マークを付けなければなりません。

△マークを忘れないために、その他有価証券評価差額金のメモ書きの左上に△マークを付けます。

メモ書きを見ると、その他有価証券評価差額の借方は12,600円で、貸方は15,000円であるため、相殺すると、貸方2,400円となります。

したがって、貸借対照表の純資産の部の評価・換算差額等の区分に「その他有価証券評価差額金 2,400円」と記入します。

貸方残であるため、△マークは付けません。

メモの書き方は、以上になります。

メモの書き方をマスターして、たくさんの練習問題を解くと、税効果会計が得意分野になると思います。

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